





1点の挿画でつくられた本、『栃の木と』に続く第二弾。
ロシアの詩人、レールモントフの詩「葦」は理不尽な死を強いられた者の声が埋葬場所に生えた植物に憑依して真実を語るという、世界各地にある話を元にしている。
20世紀のロシアの詩人、アンナ・アフマートワの詩「葦」の初出はスターリン治下のソ連時代であり、タイトルは「柳」とされた。「葦」をタイトルに使うことは、弾圧と粛清の恐れがあったからである。改めて「葦」と題されて発表されるのは雪どけ後の1965年だった。
悲劇の女性の儚い姿を宇野亞喜良はトレーシングペーパーを使うという斬新な手法で表現している。
詩:レールモントフ
画:宇野亞喜良
訳:前田和泉
価格:1,000円+税
2019年10月25日発行